Youは何しに、フィリピンへ?
フィリピンのどこがいいの?
と考えることもなく、永住ビザを取得した私。
知り合いがいる訳でもなく、一体何を頼りにフィリピンへ?
永住ビザの手続きをしている2年の間、自問自答した。
でも、答えが出なかった。
ので、こじつけることにする。
フルーツがおいしい
なぜ?
考えたら、すぐに理由がわかった。
恐らく一般の方は、思いつかないかもしれない。
だって私は、バナナ配達のアルバイトを学生時代にやっていたのだ。
日本の”えげつない”防疫事情=完璧
朝4時に起床、身支度をして、自転車で、バナナ輸入商社へ向かう。
店頭で売られているバナナの色はうすい黄色。
中には、うすいグリーンのものや、端っこが緑色のバナナもある。
けど、緑色が残っているバナナは、おいしくない。
まだ、熟れていないから。
お店が適当に売れ残っている間に熟れるだろう、と見込んで早い目に陳列しているだけ。
陳列棚に並ぶ大半のバナナが黄色である
これは、食べられる。
では、なぜ、食べてもおいしくないバナナが日本にあるのか?
その理由は簡単。
日本に輸入できるのは、まだ熟れていない濃い緑色のバナナなのである。
初めて緑色のバナナを見た人は、プラスティックのおもちゃだと思う。
熟れたバナナを日本へ持ち込めば、大変なことになる。
熱帯地方の害虫が日本に持ち込まれると、日本が夏なら、日本のフルーツは、全部虫にやられる。
セアカゴケグモの比ではない。
法律で厳重に取り締まられているのだ。
濃い緑色のバナナは輸入商社の倉庫で熟成される
その材料は、水と毒ガス。
朝4時30分に私は地下の倉庫に入り、熟れたバナナを地上へと運ぶ。
会長のおじいさんが私に言う。
「大丈夫と思うんやけど、まぁ、入ってみて。」
「は、はい、、、。」と私。
「苦しくなったら、出て来てや。」
って、私を脅す、このクソじじい。
怖いやんか!
出荷直前まで、毒ガスにさらすため、倉庫からガスが抜けきっていないことがある。そのときの対処を教えてくれているのだが、
「苦しいと感じた時点で、もう手遅れやがな!」
地下でそのまま眠るしかない
という訳で、日本で水をかけられ、毒ガスを吸わされたバナナと、現地でバナナの木(実はバナナの草)にひっついたまま、黄色くなったバナナとを比べるまでもなく、どちらがおいしいかわかるというもの。
では、マンゴーはどうか?
わかりやすく表現すると、海外から日本へやってくるマンゴーは、
マンゴーの燻製
煙で、害虫を殺してから、店に並ぶ。
だから、フィリピンの果物はフィリピンで食べるとおいしい。
もちろん、安い。