テレワークでの社員の日常勤務評価

従来のオフィスでの勤務は、朝の勤務開始から昼休みを経て、夕方の勤務終了まで外出・出張を除くすべての社員が着席している状態です。一方、在宅勤務を中心とするテレワークでは、勤務開始から終了までずっとZoom等で監視する訳にもいきません。

社員に変なストレスがかかるでしょうし、在宅勤務用に社員に支給しているPCのスペック次第ではPCへの負担も無視できません。

では、テレワークにおいて、理想とされる社員の職場の状況、そして勤務評価はどうあるべきでしょうか?

社員の勤務の評価の対象を根本から変える

オフィスでの勤務では、その社員がきちんと勤務時間内に社内におり、はた目には仕事をしているように見える状況があれば、特段その社員が勤務怠慢の責めを問われることはありませんでした。

ところが、在宅勤務では、社員が勤務時間中にずっと着席しているかどうかを監視することはナンセンスです。上司の仕事は「警備」になって、一日中PCに映し出される社員の顔を監視することになります。

そして、監視の結果怠惰なく着席しておればよし、責を外すようなことがあれば勤務時間のカウントをしないということでは、果たして仕事の成果はどこにあるのでしょうか?

ここは、思い切って勤務の評価を根本から変えることが必要です。それは、、、

成果主義です。

成果主義といっても、「売上を1日何万円取って来い」という類のものではありません。

在宅勤務における成果主義

在宅勤務を始める前に、社員一人一人と面談し、毎日どのような仕事をしているのか、何を成し遂げると一日の仕事が終わったといえるのかを綿密に調査します。

そして、一日一日の仕事内容を明確に、どのような結果が出たら勤務終了と考えるのかを決めます。

社員の一日の仕事の量と求める結果が決まれば、あとは社員の在宅勤務での行動に細かく指示するのはやめましょう。結果さえ、出してくれさえすれば、勤務時間中に社員が子供の世話をしたり、宅配便で私物を受け取ったり、急な来客(私用)の接待をしたりしても、目をつぶります。

そのかわり、先に決めておいた成果が出るまでは、その社員のその日の勤務は終わりません。

KPI(重要業績評価指数)の考え方

KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、目標を達成する上で、その達成度合いを計測・監視するための定量的な指標のことです。

営業職を例に取ればわかりやすいかもしれません。

営業職におけるKPIとは、

  • 訪問件数
  • 受注件数
  • その他

となり、受注件数を達成すれば、全社の目標達成につながり、その社員が一日働いたな、という評価になります。

数値で明確化することにより、社員の日常業務で目標に対してどのくらい進捗しているのかがKPIといえます。

このようなKPIを在宅勤務をする全職種で各人分を作成していきましょう。

KPIを作成する上での注意

KPIを作成するうえで、常に念頭におかなければならないものを挙げます。

  • 具体的か
  • 計測可能か
  • 達成できる見込みはあるか
  • モチベーションを維持できるか
  • 期限は明確か

の5点です。

具体的か

経理職について考えてみます。経理の日常の業務は、取引の仕訳を入力です。「取引の仕訳と入力であるということ」を明確にします。

計測可能か

次に、取引の仕訳と入力の量を決めます。経理の仕事は、一ヶ月の間に繁忙期と閑散期が入り組んでいます。繁閑の差をできるだけ押しなべることも必要ですが、現実はそうも言ってられません。一週間での処理量を決めるか、一ヶ月の間で期間を決めて、仕事の量を決めます。

達成できる見込みはあるか

経理の仕事を年間単位で見ると、年末調整事務や決算申告期には忙殺されます。この時期は、在宅勤務における「残業」が必要になります。他の日常業務に関しては、「残業」なしに終わる量を決めておき、達成できる見込みがあるものを採用します。

モチベーションを維持できるか

そもそも、期限内に達成できそうもない仕事の量を与えられて、社員のモチベーションが続くでしょうか?さらに、この一日一日の仕事をこなして行けば、その先に何があるのかを検討します。

一ヶ月のスパンで仕事量を決めれば、社員が決めるペース配分で結果を出せます。ペース配分を間違えて、結果が出なかったときにはフィードバックが必要です。

期限は明確か

経理の仕事では、年末調整や決算といったイベントには、明確な期限があります。しかし、日常業務では期限があってないようなものなので、「月次決算」といった明確な期限を設けることが必要です。

月次決算とは、毎月簡易な決算をすることで、経営状況を数字で把握できるという指標を作成し、経営陣に提出することを指しています。税務署は関係ありません。

期限があるからこそ、社員が集中して仕事に取り組めるのです。経理職に限らず、すべての職種に成果を出す期限を決めてください。

タイトルとURLをコピーしました